シュノーケリングで『テナガエビすくい』のススメ 楽しい!爽快!ハマる!
2019年8月19日 11:00TSURINEWSTSURINEWS編集部
お盆を過ぎるとそろそろ海水浴場ではクラゲの発生するエリアも出てきて、せっかく海水浴に行ったのにビリッなんて、トラウマになっちゃう?と言う事でこの時期オススメなのが海水浴ならぬ川での水浴。川の水は海に比べるとひと足早く冷たくなり、なによりも淡水なので上がった後がすっきりそのもの。そして、川では、海にはない手軽なお楽しみが待っている。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
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夏休みも佳境。海水浴に出かける家族も多く、各地の海水浴場はごった返す時期だ。水遊びができると言う点では、海はもちろん、プールや川などがある。そう、今回は夏休みの川遊びのススメである。筆者宅では毎年、この時期になると海を避けて頻繁に川遊びに出かける傾向がある。その理由は…。
8月の海水浴場はともすれば海水がお湯のように温かく、何よりも関西近辺では人がごった返して、水もあまりきれいじゃない…なんてイメージを抱く人も居るはず。我が家はまさにその通りで、とにかく人が多いのと、水中を覗いても濁りが強いのが不満なのである。
きれいな川で泳ごう(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
対して、川は8月中旬を過ぎる頃から、ひと足先に水温の低下が始まる。もちろん、川の上流に当たる山間の気温も下がってくるからで、9月になると震えるくらいになる紀伊半島の河川も少なくない。なまぬる~い「お湯」の中での海水浴よりは、しっかりと身体が冷やせる川での水浴を選ぶ理由の一つである。
テナガエビが多数潜む
川は淡水なので、海水浴後のベタベタ感が全くないのがうれしい。なんなら、川から上がって身体を拭いたらそのまま車に乗り込んだって構わないくらいだ。
そして最後に、川には手軽に取る事ができる川の幸(テナガエビ)が多数潜んでいる。実はこのテナガエビ取りが非常に楽しすぎて、ついついハマってしまうのだ。
水浴場でテナガエビすくい
大阪近辺では武庫川や淀川などでのテナガエビ釣りが人気だが、大阪から少し離れて紀州の有田川、日高川、日置川、古座川などでは、シュノーケリングでのテナガエビすくいが楽しすぎる。
この辺りの河川では、至る所にテナガエビが潜んでいて、ネットで検索するとあちこちに「水浴場」として、安全に泳げる流れのエリアが出てくる。たいがい、そんな場所でも、テナガエビが隠れる事ができる石が点在するようであればかなりの確率でテナガエビすくいをする事ができる。
テナガエビすくいができる場所の条件
テナガエビすくいができる場所の条件として挙げるなら
・非常に浅い場所…大人ならお腹がつっかえるくらいの場所が理想。その程度の水の流れなら子どもも安心だ。
・ソフトボール~頭程度の石が点在する…テナガエビは日中は石と石、石と底砂の間に身を寄せており、隠れる空間が多いほど数多くいる
石の間に見え隠れするテナガエビ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
シュノーケリングセットがお役立ち
さて、そのテナガエビすくいの方法について。必要なアイテムは水中メガネとシュノーケル、エビ網、エビを入れるカゴ。水中メガネとシュノーケルがセットになったシュノーケリング用のマスクが便利。競泳用などに使うゴーグルでもいいが、こちらもシュノーケルを付けると長く水中が見えるので効率アップだ。
エビ網は釣具店などで売っている、直径10cmほどのエビをすくうための網で、エビが中に入ると深さがないのになかなか飛び出られない仕組みになっている。筆者は幼い頃にセミ取りの専用ネットとして多用していた記憶あり。
テナガエビが網に入った(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
虫かごがオススメ
エビを入れるカゴは水中に付けたままが理想。なので、昆虫を入れるようなプラスチックケースより、しっかりとフタが締まる虫かごがオススメ。虫かごなら水中に浸けておく事で酸欠になる心配もないし、紐を肩から斜めに背負えば両手が空くのでテナガエビ取りが楽になる。
ちなみに筆者は専門に取る時は、アユ用の引き船を使用している。腰のベルトにつないでおくのだが、入れる時はアユ同様、バネの開閉口があるので楽ちんなのだ。
次のページでいよいよ獲り方を解説!
まずはシュノーケルに慣れる練習を
アイテムが揃ったらさっそくシュノーケルに慣れる練習だ。シュノーケルは顔を浸けても口にくわえたシュノーケルの先が水面より出ている限り息が自由にできる。
逆にシュノーケルの先まで水没すると中に水が入るので、水面より出たところで大きくシュノーケル内の水を吹き出す必要がある。これをシュノーケルクリアと言って、クリアしておかないと次に息を吸った時に水が入ってきて窒息してしまう。まずはシュノーケルクリアの練習をしっかりしておこう。
シュノーケルの使い方に慣れよう(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
シュノーケルなしの場合はその必要はないが、息をするために顔を上げる必要がある。
慣れてきたら、浅くて石が転がっている場所を見つけて(だいたい川の上から見ていると分かる)、水中を覗いてみよう。川の流れに対して頭が上流側になるように四つんばいになって、川底を見てみよう。
テナガエビすくい獲り方
石があればそこに行って、ごく静かにそっと石をひっくり返す。すると、テナガエビがジッと隠れたままの状態になっているのが分かるはずだ。あまり雑に石をひっくり返すと、テナガエビが驚いてピンピンと跳ねてどこかへ行ってしまうので注意。
石をソッとひっくり返す(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
テナガエビがジッとしているうちにエビ網でソッと押さえると、そのまま川底を歩くように移動するか、ピンとひと跳ねで、網の中に自ら入ってくれる。跳ねない場合は網の上から手で突くと入る場合が多い。
網の中に入ったら、すぐに水中から上げる。水中では水の抵抗で網が開いたままなので、すぐにエビが網から出てしまうからだ。空中で網の中に手を入れてエビをつかんだら、逃げないようにカゴへ入れる。これで捕獲完了だ。
持ち帰り方
持ち帰る時はきっちりとクーラーボックスに氷を入れて冷やして帰ろう。エビは死んでしまうと身の劣化が早いので、できればブクを入れて生かして帰るか、氷締めにした状態で持ち帰るのがベストだ。
大量のテナガエビ捕獲(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
美味しく頂こう!
持ち帰ったテナガエビはできるだけ早く処理をする。そのまま冷凍してもいいし、すぐに調理をする場合は、ザルにテナガエビを入れて少し塩を振り、ヌメリを取ってから水洗いして、素揚げ、塩ゆでなどにする。揚げる場合はしっかりと水分を取らないと油が跳ねるので注意だ。
素揚げに塩が定番(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
安全対策は十分に
最後に注意点としては、テナガエビを漁業権魚種に指定している川もあるので、漁協に確認の事。また、安全が第一なので、流れの強い場所や深い場所の近くでは水浴をしない事。できれば水浴場として指定されている所を選びたい。
川は流程があり、その場で雨が降っていなくても、上流部で大雨になると大きく増水する事も多々ある。そんな時はサイレンで注意が促されるので、サイレンの意味(川辺に看板があるので確認)をよく理解しておく。また、天気予報などで、上流部の雲の確認をするのも手だ。
川の石はコケが生えていて、非常によく滑るので、普通のサンダルやマリンシューズなどで入る場合は、浅い場所でもあまり立ち上がって歩かない方がいい。できるだけ、四つんばいのままで移動したい。ちなみに筆者はテナガエビ取りでもアユタビを履くようにしている。
水中で顔を覗かせているテナガエビの美しさ、川の水の透明感、そして、テナガエビ取りでは取れないが、天然のアユやオイカワ、カワムツなどが泳ぎ回る姿を1度見れば、川での水浴のとりこになること間違いなし…だ。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>
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