「海にものを落としてしまった!」そんな時の、拾いに行く方法や捜索の仕方を大解説!!
こんにちは皆さん
いきなりですがこんな経験はありまあせんか?
ボートに乗っているときに海を見るのに夢中になっていて海にものを落としてしまったり、手を滑らせてしまって海に何かを落としてしまったことが。
少なからず、海にかかわっていればいつか物を落としてしまったりしてしまうものです。
そんな時!!
「やってしまった」「あきらめよ」と思ってはいけません。海にものを落としてしまっても、意外と見つけ出せるんです!
では、どのようにして見つけ出すのかというと、ここで役に立つのがアドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバーコースのサーチ&リカバリーというスキルです。
今回は、海にものを落としてしまった時の対処法をアドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバーコースのサーチ&リカバリーにそって説明していきます。
目次
- サーチ&リカバリーを学ぶことの4つのメリット
- プロフェッショナルとレクリエーションダイバーのレベルの違い
- サーチ&リカバリーの環境
- サーチ&リカバリーに伴う危険
- サーチエリアを決める
- 水面へ引き上げる
- まとめ
サーチ&リカバリーを学ぶことの4つのメリット
1つ目
メガネ・財布・マスク・お気に入りのダイビングナイフなどを落としてしまっても見つけ出せる可能性は十分にあるので、余計なお金を使わずにすみます。
2つ目
サーチ&リカバリーを学ぶことで、多彩なスキルを持ったダイバーになれるという点です。なくしたものを探すこと以外の目的にも応用できるからです。例えば、PADIレスキュー・ダイバーコースではサーチ&リカバリーのテクニックを利用し、PADIダイブマスターコースでは地図の作成に使います。
3つ目
サーチ&リカバリーは難しいけれどやりがいがあるという点です。探しているものが、特に重要でなかったり、価値があるものでなかったりしても、サーチを計画して実行するのは楽しく、満足感があります。
4つ目
レクリエーションのサーチ&リカバリーを学ぶことで、専門家の水中サルベージの世界を見ることができ、基礎ができるという点です。専門家の人たちの仕事に対する理解が深まります。
プロフェッショナルとレクリエーションダイバーのレベルの違い
まず、プロの人たちはその仕事に対して、レクリエーションダイバーよりはるかに広い範囲の訓練を受けます。プロの人たちは、視界ゼロ・速い流れ・大深度など、非常に過酷な環境で作業することが多く、仕事の内容も、行方不明者・武器や証拠品・自動車・飛行機・船など大型の物体(45キロ/100ポンド以上)の捜索と回収などにたずさわります。そういった仕事すべて、レクリエーションのサーチ&リカバリーの範囲外です。
また、プロの人たちは職業として水中捜索とサルベージ/回収に従事し、報酬をもらいます。その仕事は、カナダのCCOHS・アメリカのOSHA・イギリスのHSE・ニュージーランドのワークセーフ・オーストラリアの職場規制機関など、労働法規の対象になります。一般に、職業ダイビングの法規は、小さなものを探すレクリエーションダイバーには適用されません。
サーチ&リカバリーの環境
水底の構成
「水底の構成」とは」、水底の地形・地質・特徴のことを言いますが、サーチ方法に影響を及ぼします。フラットで開けた地形は最もサーチしやすい場所ですが、水の流れによって捜索物が流されやすくなります。不規則な水底では、サーチ方法が限定されます。捜索物が、岩の割れ目や、障害物の影などに隠れて見えなくなってしまいますが、水の流れによって移動してしまうことは少なくなります。
水の動き
サーチ方法に影響を及ぼす水の動きは、流れ・潮の干満・うねり・波などで、捜索物を押し流してしまうことがあります。特に川の場合に当てはまりますが、水の流れている場所ではどこでもそうなります。
水の動きによって、なくしたものが徐々に水底に埋もれてしまうこともありますが、流れの速度や方向が変わると、覆っていた砂や泥が取り除かれて、見つかることもあります。これは主に、流れが速い場所で小さなものを落とした場合や、中程度の大きさのものが長い間水中に沈んでいた場合にあ」てはまります。
うねりは物体を深い方へ引きずり込む傾向があります。
サーチ&リカバリーに伴う危険
なくしたものを捜索するダイビングには、それに伴う危険がいくつか伴います。それはほとんどのダイビングに内在する危険ですが、何かを捜索して回収するという行為の性質上、より一層注意することが大切になります。
1.鋭くとがったものやがれき
捜索中は水底に手や膝をつくことが多くなりがちなので、ガラスの破片・針金・錆びた金属などでけがをしないように注意する必要があります。砂や泥の中にはそのようなものが隠れている可能性があります。
2.水中拘束
サーチ方法によってはライン/ロープを使うためほかのスペシャルティと比べて、水中拘束によるリスクが高まります。また、釣り糸や網がある場所でサーチ活動をすることもあります。特に透明な釣り糸には注意する必要があります。
3. 視界不良
視界が悪い中で捜索することもあれば、捜索しながら水底の砂を巻き上げてしまい視界が悪くなってしまうこともあります。
視界不良は、バディとはぐれる危険性や、方向が分からなくなってしまう危険を増大させます。バディとコミュニケーションがとれるくらいの透視度なら大丈夫ですがそれもできないくらい濁っている場合はプロに任せましょう。
サーチエリアを決める
サーチを始める前に、サーチエリアを決める必要があります。捜索物がその場所にあると「確信」できるエリアの範囲を必要以上に大きくならないように決めます。そして、ここでなくしたとできる限り確実に推測できる場所をスタート地点にします。
サーチパターン
その場所や、地形にあったサーチパターンを選ぶ必要があります。ここで、よく使われるサーチパターンを紹介しします。
1.Uサーチ
Uサーチは、大きなエリアをサーチするのに特に有効です。フラットな水底の上を、小さなものから大きなものまで探すのに適していますが、注意して使えば、起伏のある場所や流れの中でも有効です。
Uサーチパターンでは、水底に沿って長い直線を泳ぎ、90度曲がって短い距離を泳ぎ、さらに同じ方向へ90度曲がって長い距離を泳ぎます。長い距離の端まで来たら、反対方向へ90度曲がり短い距離を泳ぎ、さらに同じ方向へ90度曲がり長い距離を泳ぎます。左へ右へ2回ずつ交互に繰り返すと、近接した一連のU字型が出来上がります。距離の測り方は、キックサイクルで測るか、短い距離ならアームスパンで距離を測ります。
2.スパイラル
スパイラルパターンは素早くyセッティングでき、簡単に計画できます。でこぼこした地形の場所で中程度のものを探すのに有効で、バディチームが1組しかいない場合に適した選択です。ダイビングをしている際に何かを探さないといけなくなった場合によく使われるパターンです。
スパイラルパターンはサーチエリアの中心から始めます。真っ直ぐに短い距離を泳ぎます。そして、右または左に90度曲がり、最初よりやや長い距離を泳ぎます。再び最初に曲がった方向と同じ方向に90度曲がりら同じ分だけ増やした距離を泳ぎます。これを繰り返していくと、スタート地点からひろがっていく直線よスパイラル型が出来上がります。
3.円形サーチ
円形サーチは、小さいエリアで小さいものを探すのに適した選択です。しかし、ラインとリールが必要で、ラインとリールなしでは、正確に円をナビゲーションすることがほぼ不可能です。このサーチパターンは、障害物のない比較的フラットな地形で最も上手く行きます。
スパイラルと同様に、サーチエリアの中心からスタートします。バディの一方がラインを確り握って支え、もう一方はラインをピンと張った状態を保ちながら円を描いて泳ぎます。一周したらLINEを少し長くしてもう一周するというように、見落としがないように円の大きさを少しずつ広げながらサーチを続けます。
この時に、バディでロープシグナルなどを決めておくと便利です。
例えば
1回引く=注意・ストップ
2回引く=OK?OK
3回引く=一周した
4回引く=こっちへ来て
続けて何回も引く=緊急事態・すぐに来て!
など
水面へ引き上げる
探しているものが見つかったら、水面まで持っていきます。サングラスや財布、ダイビングナイフなど小さいものならそのまま持っていくことが出来ますが、重さが4〜7キロあるものなら「リフトバッグ」を使って引き上げます。
泳いで水面まで楽に運べる重さ以上のものを引き上げるのに、BCDの浮力を使っては行けません。BCDをリフトバッグ代わりに使っていて、何らかの拍子に間違って回収物から手をはなしてしまうと、コントロールできない急浮上につながり、減圧障害の危険が生じます。
リフトバッグとは、ガスを入れ浮力をつけ、回収物を水面まで持ち上げる専用のバッグです。
その場で間に合わせたものを使ってリフトバッグを自作することは可能ですが専用に作られた市販のものの方が少なくとも3つの点で優れています。
第1に、排気バルブシステムがついているので、膨張する空気を逃がして浮上速度をコントロールすることができます。
第2に、回収物を取付ける結索具がそなわっていて、引き上げる時にかかる力に耐えられるようにつくられています。
第3に、ダイビングの環境に耐えられる頑丈な素材でできています。手製のリフトバッグは素材が力に耐えれず、引き上げる前、あるいは最中に壊れたり破けたりしてしまう危険があります。
リフトバッグを使って引き上げる
まず、バッグを回収物に取りつけます。取り付けたら、自分がすっているセカンドステージではないバックアップ空気源からバッグの中に少しだけ空気を入れます。結索具を取りつけ、引っ張ってみて、しっかり結べているかチェックします。
注意
水面へ引き上げる際に回収物の真下にいてはいけません。もし、結索具などがとれてしまったりした際にぶつかってしまう恐れがあります。
まとめ
・サーチ&リカバリーには、特定のものを探すサーチと不特定のものを探すサーチの2種類がある。
・レクリエーションのサーチ&リカバリーには限度があり、それを超えるものを引き上げないといけない際はプロに任せる。
・水底の構成や環境にあったサーチ方法を選ぶ
・回収物を引き上げる際には真下にいてはいけない。
とてもざっくりとした説明でしたが、もし水中にものを落としてしまった際や、アドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバーのサーチ&リカバリーに興味がある方の参考に慣ればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。